ブルーレイの歴史について(前編)

ブルーレイの歴史について(前編)

ブルーレイの歴史で知っておきたい基礎知識

1. DVDと切り離せないブルーレイの歴史

 

ブルーレイの歴史は、DVDの歴史の延長線上にあると言っても過言ではありません。音の情報を記録できるCDに加えて、映像の情報も記録できる媒体として開発されたのがDVDで、このDVDの規格を元にして開発が進められたのがブルーレイだと考えても、決して間違いではありません。

 

ブルーレイの規格は、DVDが市場に登場した後の2002年に世界各国のメーカーが共同して規格を策定しました。CDの規格を策定したPHILIPSやSONYはもちろんのこと、パナソニックやシャープ、日立製作所やパイオニアなど日本のメーカーも数多く規格策定に関与していますし、そのほかにはサムスン電子やLG電子、トムソンなど、合計9社がブルーレイの歴史における生みの親と言えるでしょう。

 

この当時、DVDの開発では東芝が中心となって行っていました。しかしブルーレイの開発においてはソニーが中心となり、映像に大きく関係するパソコン業界や映画業界なども巻き込みながら巨大な市場を構築していったのです。

 

ちなみに、ブルーレイの規格が策定された翌年の2003年には、ソニーがすでにブルーレイのディスクレコーダーを発売開始しています。その後、2009年に東芝がDVDからブルーレイ市場へと大きく方向転換するまでは、ほぼソニーの一人舞台だったと言っても過言ではないでしょう。

 

その後、2011年には多くのメーカーがDVDのレコーダーからブルーレイのレコーダーへと完全に移行しました。映像をDVDコピーできるデバイスがリーズナブルになったのも、この頃だったのではないでしょうか。

 

2. 進化し続けるブルーレイ
ブルーレイの歴史は、現在でも進化を続けています。通常のブルーレイは近年では2Dブルーレイと分類されており、より進化した3Dブルーレイと区別がついています。従来の2Dブルーレイでも、DVDと比較すると画質はとても高画質ですが、3Dになると映像が手前に飛び出したように見えて立体感がアップします。臨場感が高まるので自身がスクリーンの中に入ったような迫力を感じられるという点で、高い人気があります。

 

現在では、この3Dブルーレイを楽しむためには、専用の再生プレーヤーやメガネが必要です。もう少し開発が進んでメガネが不要になる日が来るかもしれませんし、3Dブルーレイの低価格化が進むことも期待されています。

 

3. UHDブルーレイとは?
ブルーレイの歴史の中には、たくさんの種類のブルーレイが登場します。その中の一つに、UHDブルーレイがあります。これは4K放送に対応しているという特徴があり、映像の明るさをよりハイレベルで調整することで自然な映像を作り出すHDRの技術を採用しています。

 

UHDブルーレイは、2Dブルーレイに分類されます。ブルーレイの開発が進められる中で、映像をより美しく自然に見せるために誕生したもので、高い人気があります。

知っていると便利なブルーレイの歴史、どうして「ブルー」なの?

1. ブルーレイの歴史は青色と何か関係がある?

 

ブルーレイというと、青色を英語で表記したBlueをイメージしてBlue-Rayのことだと考える人は少なくありません。表記という点では、残念ながら青色を示すBlueではなくイタリア語で青という意味を持つBluを使ったBlu-rayが正式な表記となります。しかし、青という意味は、ブルーレイと大きな関係があります。

 

ブルーレイは、青紫色のレーザーでディスクに記録します。現在ではDVDが進化したフォーマットだと考えられているブルーレイですが、もともと名前の由来は、この青紫色にちなんでいます。

 

2. なぜ英語のBlueではなくイタリア語のBlu?
ブルーレイの歴史の見ると、このフォーマットの規格を策定したのはメーカー9社ですが、そこにイタリアのメーカーは含まれていません。それに、ブルーレイの歴史の中で開発当初から先導を切っていたのは日本メーカーのSONYです。なぜ、イタリア語のBluが使われているのでしょうか?

 

それは、商標登録と関係があります。もしも英語でBlue-rayとしたならば、多くの人が間違えることなく表記できるでしょう。それに、青紫色のレーザーを使っており、商品と全く関係ないネーミングをしているわけでもありません。

 

しかし、英語でBlue-rayとすると、英語圏で生活している人にとっては、それが商品だと分かりづらくなってしまいます。青いレーザー光線は英語で表現すればすべてBlue rayなので、それをあえて商標登録するのはいかがなものか、というわけです。

 

イメージとしては、日本で「江戸」とか「富士山」など多くの人が様々なシチュエーションで使う言葉を商標として登録できないのと同じです。

 

そこで、英語のBlue-rayでの商標登録は難しくても、Blueとスペルがとても良く似ているイタリア語のBluなら大丈夫だろうということで、Blu-rayとなりました。

 

3. 新しい企画が出たらBlueでなくなる可能性もあるのか?
ブルーレイの歴史では、DVDよりもスペックが進化したフォーマットとしてブルーレイが位置付けられています。DVDコピーよりもブルーレイコピーの方が画質が良い点も、元の画質の違いが大きく関係しています。従来のブルーレイでもスペック的にはDVDよりもずっと高品質ですが、さらにブルーレイは進化しており、将来的には青紫色ではないレーザーを使う可能性もゼロとは言えないでしょう。

 

しかし、もしもスペックが変わって青色のレーザーを使わなくなったとしても、すでにBlu-rayという商標で登録されているフォーマットなので、商標自体が大きく変わる可能性は低いのではないでしょうか。もしも画期的な技術を使った新しいフォーマットが開発されたなら、それはブルーレイの延長線上ではなく、まったく別の商標登録がされるかもしれません。

ブルーレイの歴史はハリウッドと大きな関係がある!

1. ブルーレイの歴史とハリウッド

 

ブルーレイの歴史を知るうえで、ハリウッドを切り離して考えることはできません。なぜなら、ブルーレイの歴史の始まりはハリウッドだと言っても過言ではないからです。

 

ハリウッドと言えば誰もが知る通り、世界的な映画産業で知られています。ブルーレイの前身となるDVDやCDが誕生する前には、映画の作品はアナログのビデオカセットに録画されていましたが、やはり画質の点で不満の声が多かったのです。CDが誕生した後には、映像の記録などはCDへ移行したものの、映画作品となるとCD1枚に収まりきらないという大きな問題がありました。一つの映画作品を見る際に、CDが5枚も6枚も必要となるのでは、実用化という点では難しいでしょう。

 

そこで映画界からメディア製造メーカーへ、CDよりも高画質で大容量の映像を記録できる媒体フォーマットを作ってくれないかという強い要望があったのです。これが、DVDの誕生です。

 

2.ブルーレイとDVDの違いとは?
DVDの形状はCDとよく似ていますが、記録できる容量がCDの約6倍程度もあります。この点が、DVDの大きな特徴です。CDでは1枚に収まりきらなかったハリウッド映画でも、DVDなら1枚で133分以上の収録時間を確保できるため、ニーズを満たすことができました。DVDコピーをする場合にも、CDにコピーするよりDVDの方がはるかに画質は良いでしょう。

 

しかし、もしも作品が133分以上の場合には、画質を妥協することでデータ容量を抑えるという選択肢しかなく、長編作品にとっては、DVDでも十分なニーズを果たすことができなかったのです。これが、ブルーレイが誕生した理由と言えます。

 

ブルーレイの開発は1990年代から少しずつ始まっていましたが、2002年になってから複数のメディアメーカーで規格を策定し、その翌年にはSONYからブルーレイ専用のレコーダーが発売されています。ブルーレイはDVDよりも層を多くすることによって、1層ディスクでも25GB、そして2層ディスクなら50GB程度を記録できます。これは、ハイビジョン放送でも2時間以上を録画できるという事です。

 

ちなみに現在でもブルーレイの開発は進んでおり、16層で512GBまでの映像を納められる製品の試作が完成しており、ますます大容量のデータを高画質のまま記録することが可能となりました。CDの誕生から見るとブルーレイの歴史はとても長く、これからも進化し続けるメディア媒体なのかもしれません。

 

技術革新と共に進むブルーレイの歴史は、多くのメーカーが参入することで低価格化が進んでいます。私達ユーザーにとっては、リーズナブルにブルーレイを楽しめる時代が到来したと言えるでしょう。

DVDとココが違う!ブルーレイの歴史と技術革新

1. ブルーレイの歴史はDVDの技術を拡張することで誕生

 

ブルーレイの歴史は、前身であるCDやDVDに搭載されている技術を基盤として、さらに拡張した次世代のメディアフォーマットとして誕生しました。そのため、採用されている技術はDVDのものととても良く似ている点が多いという特徴があります。

 

例えば、DVDもブルーレイも磁気ディスクの表面にレーザーを照射することによってデータを記録していきます。その際にはトラックピッチと呼ばれる溝が必要となるわけですが、その溝の幅がDVDでは0.74μmなのに対して、ブルーレイでは半分以下の0.32μmを実現しています。つまり、同じ面積の記録媒体でも溝の幅を狭くすることによってより大容量のデータが記録できるような工夫がされているということになります。

 

1枚の磁気ディスクに複数の層を確保している点もまた、ブルーレイの歴史では大きな進化と言えるでしょう。DVDでは12㎜の薄さのディスクに、1層もしくは2層が限界だったのに対して、ブルーレイではレーザー波長を短くすることによって複数の層を配置しています。現在の最新スペックで商品化が進められているものは16層もあり、さらなる機能拡張に成功しています。

 

この技術は、ブルーレイが記録する際に必要となる深さがCDやDVDと比較して浅いことで可能となりました。CDは書き込みにある程度の深さが必要となるため、ディスク表側のレーベル面から0.1㎜程度の深さまでが記録のために使われます。しかしDVDではその半分ぐらいの深さで十分ですし、ブルーレイはさらに浅い部分に記録ができるという特徴があります。ブルーレイの歴史の中では、さまざまな技術が進化しながら次世代メディアフォーマットの誕生へと導いてきたのです。

 

2. 耐久性もDVDから進化
ブルーレイの歴史においては、DVDが持つデメリットを改善することも視野に入れた開発が進められてきました。例えばDVDは取り扱いに気を付けていても、DVDコピーなどでついてしまう指紋や小さな傷によって読み込みエラーが起こりやすくなってしまいます。ブルーレイも開発されたばかりの頃には、ディスク表面を保護するためにカートリッジ構造を採用していました。

 

しかしその後、表面をハードコーティングする技術開発が飛躍的に進化し、現在市販されているブルーレイディスクは、指紋や傷に対してはCDやDVDよりも強い耐久性を実現しています。この点もまた、ブルーレイの歴史の中では注目したいポイントの一つではないでしょうか。

ブルーレイの歴史とディスクの種類

1. ブルーレイの歴史とともにディスクの種類が進化している

 

ブルーレイの歴史においては、磁気ディスクの表面にレーザー波長を使ってどの場所にどのようにデータを記録するかという点で、多くの技術が誕生しては進化してきました。CDからDVD、そしてブルーレイまで、記録するディスクの形状は大きく変化していません。しかし、どんなレーザーでどのように記録するかという点ではたくさんのテクノロジーが採用されているだけでなく、現在でも進化を続けています。そうした進化の中で、ブルーレイは複数の種類のディスクが誕生しました。

 

ブルーレイが開発された初期には、カートリッジタイプが主流でした。これは磁気ディスクの表面がカートリッジに覆われている点が特徴です。ブルーレイの歴史の中では、磁気ディスクの表面が指紋や小さな傷に対してとてもデリケートで、わずかなダメージでも読み込みエラーが起こりやすいという問題が発生しました。そうしたトラブルを防ぐために、磁気ディスクの表面を保護する目的でカートリッジでカバーしたのです。

 

しかしその後、ブルーレイの歴史において磁気ディスクの表面をハードコーティングする技術が開発されました。その結果、カートリッジを使わずにディスク表面がむき出しの状態でも読み込みエラーが起こりづらくなり、カートリッジナシのベアディスクと呼ばれるタイプが誕生しました。

 

しかもブルーレイはCDやDVDが開発された後に誕生したもので、採用される技術もより進化しています。そのため、磁気ディスク表面のハードコーティング技術もCDやDVDよりも進化したものが採用されており、指紋や傷に対する耐久性はブルーレイの方が優れています。DVDコピーのように簡単にコピーができるブルーレイディスクも人気があります。

 

2. カートリッジタイプvsベアディスクのスペック
ブルーレイの歴史とともに誕生したカートリッジタイプとベアディスクタイプですが、フォーマットなどの機能が若干異なります。例えば磁気ディスクのフォーマットは、カートリッジタイプはBDFSを採用しているのに対して、ベアディスクはUDFの2.5及び2.6という異なるフォーマット方式を採用しています。

 

またブルーレイを再生するプレーヤーも異なります。近年主流となっているのは、ベアディスクに対応しているプレーヤーですが、もしもカートリッジタイプのブルーレイを再生したい場合には、対応するプレーヤーを選ばなければいけません。

 

ベアディスクを再生するプレーヤーにも、複数の種類があり、それぞれどのディスクスペックに対応するかが異なります。もしも対応しないプレーヤーを使った場合、再生できなかったり画質が劣化してアナログになってしまうなどのトラブルが起こります。