ブルーレイの歴史

ブルーレイの歴史(後半)

レーザー光線とブルーレイの歴史

1. ブルーレイの歴史ではレーザー光線も進化

 

ブルーレイの歴史の中で、それまで主流だったCDやDVDとブルーレイを大きく引き離した技術の一つに、記録する際に使用するレーザー光線が進化したことが挙げられます。CDやDVDでは赤いレーザー光線を採用しているのに対し、ブルーレイでは青紫色のレーザー光線を採用しています。このレーザー光線の色がブルーレイ(Blu-ray)というネーミングの由来にもなっているわけですが、赤いレーザー光線と青いレーザー光線とでは、何が違うのでしょうか?

 

一言で表現すれば、赤いレーザー光線は焦点の面積が大きく、青いレーザー光線は小さいという事です。紙にマジックで点を描くシチュエーションをイメージすると、分かりやすいでしょう。先端が太いマジックでは、同じ大きさの紙に描ける点の数は少なくなりますが、先端が細いマジックなら、点の大きさが小さくなるため、よりたくさんの点を描けるでしょう。これが、CDやDVDよりもブルーレイの方がより大きなデータ容量を記録できるメカニズムとなっています。

 

ちなみに、CDもDVDもブルーレイも、使用する磁気ディスクの大きさは直径が12㎝です。この面積によりたくさんの点を描こうとしたら、どうしても先端が細いマジックを使わなければいけません。ブルーレイでは、より焦点面積が小さな青紫色のレーザー波長を使うことで、大容量のデータ記録を可能としています。

 

さらに、ブルーレイの歴史の進化は現在も継続しています。レーザーの焦点をこれ以上小さくできないのなら、磁気ディスクの薄さ11㎜の中に複数の層を作り、そこにより多くのデータを記録しようという技術開発が進められています。

 

2. レーザー光線の焦点面積を決めるのは光の波長
CDとDVDに使われている赤いレーザー光線と、ブルーレイに使われている青いレーザー光線とでは、焦点の面積が異なります。これを決定しているのは、それぞれのレーザー光線の波長です。

 

CDやDVDの記録に使われている赤色のレーザー光線は波長が650nmですが、ブルーレイの青いレーザー光線の波長は、それよりも短い405nmという特徴があります。しかも、データの記録に必要な深さも、赤いレーザー光線よりも格段に短いのです。この浅さに目を付けたことが、ブルーレイの歴史を次世代に向けてさらに進化させた要素の一つだと考えられます。

 

ブルーレイの大きな特徴には、磁気ディスクの限られた厚さの中に複数の層を配置し、それぞれにデータを記録させるというものがあります。DVDでは1層もしくは2層が限界だったのに対し、ブルーレイでは現在16層ディスクの開発が進められており、今後も多層化による機能拡張が進むことでしょう。これによって、従来のDVDコピーよりも圧倒的に優れた画質を楽しめます。

ブルーレイの歴史で転送速度はどうなった?

1. ブルーレイの歴史と転送速度の関係

 

ブルーレイの歴史においては、より高画質な映像をスムーズに再生するために、転送速度の面でも技術開発が進められてきました。ブルーレイはCDやDVDよりも大きなデータを扱うことができますが、磁気ディスクに大容量のデータを保管することができても、それをスムーズかつ迅速に転送できないのでは、再生スピードが遅くなってしまいます。

 

ブルーレイの転送速度の標準は、1秒当たり4.5MBです。DVDの場合には1倍速再生なら1秒当たり1.4MBのデータ転送が可能となるため、ブルーレイはDVDの約3倍程度の転送ができることになります。DVDコピーよりも画質の優れたブルーレイコピーを読み取るためには、プレーヤーもそれに対応したものが必要です。

 

しかし、ブルーレイを再生するプレーヤー側の標準転送速度は、もっと早いスピードが標準となっています。例えばBD-ROMの場合には、ブルーレイ1.5倍速ができる秒あたり6.75MBが標準装備されていますし、書き換え可能なブルーレイディスクのBD-Rなら、等速の約6倍の速度に対応したものや、12倍速に対応したものなどもあります。

 

プレーヤーの規格もブルーレイの歴史と共に進化を続けています。しかしブルーレイをスムーズに再生するためには、最低でもどのぐらいの規格があれば「イライラすることなく映像を楽しめる」スピードだと言えるのでしょうか?

 

高画質なハイビジョン動画の場合、フレームの周波数は59.94Hz程度です。これをブルーレイの再生スピードで考えると、等速スピードしか機能を持たないプレーヤーでは、残念ながらスムーズな映像を楽しむことはできません。最低でも、2倍速ぐらいの転送速度を持つプレーヤーを使ったほうが、より満足度の高いブルーレイ再生ができるでしょう。

 

2. 周辺機器の選び方
高画質が魅力のブルーレイを最大限に楽しむためには、ブルーレイの磁気ディスクを持っているだけでは十分ではありません。再生するためのプレーヤー、また映像をクリアに映し出すためのテレビも、高画質対応のハイスペックなものを選ぶ必要があるでしょう。

 

基本的に、テレビとブルーレイプレイヤーはスペックがそろっていることが理想的です。例えばテレビが4K対応のものなら、ブルーレイプレーヤーも4K対応のものを選べば、より自然な立体感や臨場感をブルーレイディスクが実現してくれます。テレビだけが高画質対応でプレーヤーが対応していないとか、プレーヤーはブルーレイ対応だけれどテレビのスペックが追い付いていない場合には、画質が荒くなってしまう可能性がありますので注意してください。

ブルーレイの歴史で拡張性はどう進化した?

1. ブルーレイの歴史で拡張性も大きく進化

 

ブルーレイの歴史においては、磁気ディスクの構造やデータ記録方法だけでなく、拡張性や周辺機器の技術も大きく進化してきました。その一つ一つが私達ユーザーのライフスタイルやニーズを満たしているだけでなく、市場の変化に対して敏感に反応して痒いところに手が届くような開発を続けてきたと言えるでしょう。

 

磁気ディスクの拡張性も、ブルーレイの歴史と共に進化を続けています。CDやDVDと比較して、ブルーレイは1層でも大容量のデータを記録できるというメリットがあります。しかしデータ記録の際にレーザーが必要とする深度がCDやDVDよりもはるかに浅いという特徴を生かし、薄いディスクに複数の層を配置することで、より多くのデータ記録を実現してきました。DVDコピーよりもブルーレイコピーの方が、高画質の映像を長時間コピーできるのです。

 

現在市場に流通しているディスクでは、片面4層128GBのものがBDXLとして開発されています。しかし磁気ディスクの開発研究は継続しており、すでに片面8層構造の試作開発にも成功している所まで来ています。もしこのスペックでの製造販売が実現すれば、磁気ディスク1枚で200GB以上のデータを記録できる大容量光ディスクメディアの誕生となるでしょう。これは、ブルーレイの歴史においても大きなベンチマークになります。

 

各メーカーが目指すゴールは、ブルーレイの歴史においては何段階も高い位置にあります。ディスクの記録層は目標40層を目指し、1TB級の記録ができるディスク開発を行うメーカーもあります。ちなみに現在でも40層ディスクは商品化されていませんが、1TBディスクは片面16層512Gのディスクですでに商品化されています。

 

2. プレイヤーやドライブの薄型も進む
ブルーレイを再生するドライブやプレイヤーに関しても、拡張性は広がっています。近年ではコンパクト化と薄型が人気となっており、各メーカーではドライブをよりコンパクトかつ薄型にしたうえで、多くの人が購入しやすい低価格化を模索しています。例えばSONYと日亜化学が共同開発したBDドライブでは、効率性が高い1ビーム光学と小型パッケージング技術を採用することによって、コンパクト化と軽量化を実現するとともに、複層BDディスクの読出しも最適化するなど、利便性と機能性の両方を高めた製品開発を行っています。

 

3. ディスクの小型化も進む
ブルーレイのディスク自体の小型化も拡張性の拡大として進められています。磁気ディスクのサイズをコンパクトにすることは、記録できる容量自体が少なくなるという事にもなります。そのためコンパクトディスクは映画の録画や再生のためというよりは、ビデオカメラに搭載する目的での開発と言えるでしょう。

環境にも配慮するブルーレイの歴史

1. 環境への配慮やエコ化が進むブルーレイの歴史

 

ブルーレイの歴史においては、私達ユーザーのライフスタイルやニーズの変化に合わせて、磁気ディスクや周辺機器のスペック、採用されている技術も変化し続けています。環境への配慮やエコ化についても、ブルーレイの歴史を考える上では切り離すことはできないでしょう。

 

地球温暖化をはじめとする地球環境への配慮は、企業だけでなく地球で暮らす私達全員が担っている責務だと考えられています。特にモノづくりをする企業の責務は大きく、ブルーレイを製造する各メーカーごとに、環境への配慮や対策を掲げています。

 

2. 各メーカーの対策とは?
例えば、ブルーレイの歴史においてはパイオニア的な存在として現在でも業界を牽引するSONYでは、2004年にすでにブルーレイディスクの素材でエコ化をスタートしました。SONYと凹版印刷が共同開発したディスクの素材は、なんと使用されている材質の51%がリサイクルの紙という大きな特徴があります。

 

ただ紙という資源を再利用する目的のためだけに素材が見直されたわけではありません。紙製のディスクによって、DVDコピーやブルーレイコピーなどで出る家庭ごみを、燃えるゴミとして捨てられるようになります。つまり、地球へのエコという点では大きなメリットが期待できるのです。

 

Panasonicでは、2012年に業界では初めて、エコマークを取得したブルーレイプレイヤーを開発しました。ブルーレイのレコーダーは、他のメディアプレーヤーと比較すると消費電力による環境への負荷が大きいという特徴があり、エコマークの取得は難しい傾向があります。しかしPanasonicでは、環境への負荷を低減することに成功しただけでなく、解体容易性やリサイクル性に関しても高い基準を設けるとともに、プレーヤー本体に使われているプラスチックの難燃剤に関しても、使用を最小限に抑えています。

 

地球への環境を配慮したエコなブルーレイを選ぶなら、こうした取り組みが行われている商品を選ぶのがおすすめです。特にエコマークの付いたプレイヤーなら使用中の消費電力も最小限に抑えられており、家計にとってもメリットが期待できるでしょう。

 

ブルーレイの歴史と共に地球環境への配慮対策も進んでいます。今後はSDGsの推進によって各メーカーのエコ対策はさらに進むと考えられており、以前よりもよりエコで環境に配慮した磁気ディスクやプレイヤーが増えるかもしれません。

ブルーレイの歴史の先にある次世代の規格とは?

1. ブルーレイの歴史はまだまだ続く

 

ブルーレイの歴史を見ると、CDやDVDが前身として存在しており、より高画質な映像を記録するために大容量ディスクの開発を目的としてブルーレイが誕生したことが分かります。このブルーレイの規格に関しては、現在でも各メーカーがより拡張性を高めるために開発を進めており、すでにブルーレイの歴史の先にある次世代規格と考えられるフォーマットなども誕生しています。

 

例えば、従来のブルーレイは2Dブルーレイと呼ばれています。ブルーレイが誕生したときからこのように呼ばれていた訳ではなく、規格が進化して3Dブルーレイが誕生したことによって、3Dフォーマットとの区別をつける目的で、従来のフォーマットは2Dと分類されました。

 

Blu-ray 3Dという規格は、2009年には策定されていた新しい規格フォーマットです。磁気ディスクに対するフォーマットというだけでなく、再生や記録するためのハードウェアに関する規格も同じタイミングで策定されました。つまりDVDコピーやブルーレイコピーにおいては、ディスクだけではなくレコーダーの規格も要チェックということです。

 

3Dフォーマットのブルーレイを再生するためには、磁気ディスクが3Dフォーマットとなっているだけでは十分ではありません。再生するプレイヤーやテレビも3D規格対応のものが必要ですし、専用のメガネなどのデバイスも必要となります。ブルーレイの歴史においてはまさに画期的なフォーマットなのですが、購入価格が高額という点や、専用のメガネなどのアクセサリーが必要という点で、残念ながら広く普及するには至っていません。

 

2. 4K規格もブルーレイの拡張フォーマット
ブルーレイが誕生してから、4K Ultra HD Blu-rayという規格も誕生しました。3Dフォーマットの場合には、高画質な画像がスクリーンの前で見ているユーザーに向かって立体的に飛び出すという特徴がありましたが、4K Ultra HD Blu-rayフォーマットの場合には、それまでの画質よりもさらに高画質になっているフォーマットという位置づけです。ブルーレイの上位規格だと考えたらわかりやすいかもしれません。

 

その他には、磁気ディスクが3層とか4層などの多層のものは、BDXLというフォーマットに分類されています。また、DVDに対してBDアプリを搭載させ、圧縮映像を詰めるというBD9という規格もブルーレイの歴史の中で誕生しています。

 

それぞれの規格フォーマットごとに、対応する再生機器やテレビなどが必要となります。テレビの場合には、スペックが高画質対応でなければ画質が悪くなるだけで済むことが多いのですが、プレイヤーのスペックが対応していないものだと、ディスク再生ができないケースもありますので注意しましょう。